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浅草神社 三社祭

浅草神社 三社祭

毎年5月の中頃に浅草で4日間に渡って開催される三社祭(浅草神社例大祭)は、浅草に初夏の訪れを告げる風物詩。神社が保有する三基の神輿(本社神輿)への御霊入れに始まり、大行列、浅草44ヶ町神輿の渡御、そして最終日の本社神輿の渡御でクライマックスを迎え、浅草の街は祭り一色に染まり大変な熱気に包まれます。

浅草は一年中何かしらの祭りが開催されている年中お祭り騒ぎな街ですが、三社祭はその中でも特に規模が大きくて参加層が深く、浅草っ子にとっては年に一度のなくてはならない、浅草最大の重要なお祭り行事でしょう。浅草の三社祭は、東京23区内の社寺の祭りやイベントの中でも最大級の規模を誇る街を挙げての初夏の祭礼行事です。

浅草寺と浅草神社とは『別』

勘違いしている人が多いと思いますが、浅草神社と浅草寺とは『別』で、雷門から仲見世通りを進んだ突き当たりにある大きな建物は浅草寺の本堂であり、浅草神社はそのすぐ東隣(=本堂に向かって右側)にあります。明治時代の神仏分離令までは一体だったようですが、それ以降は別々になったとのこと。「三社」の名の由来は、隅田川で漁をしていた漁師の網にかかった観音さまをお祀りした漁師二人と地元の文化人の3人を祭神とする三社権現(今の浅草神社)が由来なんだそうで、後にそれを庇護した徳川家を祀り、現在の浅草神社の紋には、3つの投網をあしらった紋と葵の御紋が併記されています。

神輿と渡御

神輿は浅草神社が保有する三基の本社神輿と、浅草の各町内会が保有する町内神輿とがあります。

祭りは4日間に渡って行われ、一日目は本社神輿への神霊入れ二日目大行列各町内神輿の御霊入れ三日目町内神輿の渡御、そして四日目(最終日)の本社神輿の各町渡御で終了します。

『渡御』というのは、神様の方から周辺の各地域へ出向いていただくといった発想で、巡行する地域を清めて厄を払っては福と活気をもたらしながら地域を「お渡りになる」神事で、『神輿』とはその字の如く、その際に神様が乗る乗り物(=輿)です。

残念ながら、四日目の本社神輿の宮出し・宮入りでは、浅草神社前や浅草寺前などは担ぎ手しか入れない一般立ち入り規制区域になるので、一般の観覧はバリゲートの外から、金網越しになります。

二日目:早くも始まります

二日目の町内神輿の御霊入れの後、17:30頃から浅草公会堂前を出発する六ヶ町連合渡御が斎行されます。コースは、浅草六区ブロードウェイとすしや通り、浅草中央通り、観音通り、そして仲見世を通って宝蔵門、浅草神社境内を通って20:00に浅草寺本堂東側まで。日没の為、神輿には途中から提灯が取り付けられ、日中とは違った「宵の宮」の幻想的な神輿渡御の風景が見られます。日没の為、涼しいし、平日金曜日で比較的空いている中で神輿を見る事ができるので、三社祭の宵の宮を見たい人にオススメです。

三日目:町内神輿の渡御

各町を出発した神輿が浅草神社へと向かうべく、浅草寺本堂裏の広場に集結します。正午から一基ずつ浅草神社境内に入り、お祓いを受けた後にまた各町へと帰還します。よって、この日は正午までの午前中には浅草寺本堂裏を目指す各町の神輿が見られ、正午以降には浅草神社境内から出ては各町へと向かう神輿の様子が見られます。その内の多くが浅草寺本堂前を通過し、一部は仲見世を通ります。浅草寺や浅草神社周辺を歩いてると、至るところで各町内神輿に出会うでしょう。宵の宮(日が落ちた後の神輿巡行)もあります。(交通規制・歩行者天国はなし)

四日目(最終日):本社神輿の渡御

浅草神社から一ノ宮・二ノ宮・三ノ宮の三基の神輿が出され(宮出し)、浅草寺周辺のそれぞれ東・西・南(北)の地域へと繰り出され(本社神輿渡御)て各町内会を順番に廻った後、夜には浅草神社へ戻ってきます(宮入り)。この日は雷門前の『雷門通り』や、二天門前の『馬道通り』は車両交通規制が敷かれ、歩行者天国になります。

  • 雷門通り・並木通り・・・午前8時頃~午後7時頃まで車両通行止
  • 馬道通り・東参道・・・午前11時頃~午後6時頃まで車両通行止

オススメの服装や装備

毎年毎回なぜか晴れ、日差しが強くて辛いです。よって、ツバ付きの帽子がいつもとても役立ちます。一方で、早朝や日没後はちょっと涼し過ぎる気温になるので、淡い色の長袖シャツとズボンでちょうど良いようです。ハンカチの類であれば、毎年、三社祭に際して日本手ぬぐいが作られるので、お守り授与所にいくと入手できます(1000円奉納)。

現地の様子

仲見世は通常通りの営業時間のようで、18時を過ぎる頃から閉まり始める。一方、浅草寺境内・浅草神社境内やその周辺にはお祭り名物の露店が並び、朝は7時か8時頃から開店し、夜は21時近くまで元気に営業するようです。

祭り人たちは基本的には親切な人達です

法被(はっぴ)を着た担ぎ手の方々は一見いかつい顔つきに荒々しい言動とで忌避したく感じる人もいるかも知れませんが、写真を撮っていると遮らないように配慮してくださったり、混雑中を人を分けて通る際は一声かけてくれたり、一般見物客らからの質問に丁寧に応答する浅草っ娘、全身に入れ墨を入れたイカツイ男性も風呂場では幼い我が子の世話をする父親だったりします。神輿渡御はとにかくたくさんの人が集まる場での集団行為にて大変事。神輿操作についての緊急事態も多く、統率操作の為に声を荒げているのを見て偏見を持ってほしくはありません。

上手く過ごすコツ

■汗を拭くものがなければ、三社祭の時だけ用意される日本手ぬぐいがある。浅草神社のお守り等受け渡し場所や街中のてぬぐい製造販売店(染の安坊や富士屋)で入手できる。■お昼時にはどこの飲食店も順番待ちの列ができるくらいに混雑するので、昼食は正午の時間をずらすか弁当の購入or持参がよい。■高齢者同伴の場合、浅草寺境内とその周辺は大変混雑するし足休めもできないので入らず、最終日に車の交通規制で歩行者天国になる雷門通りと馬道通りを休憩と飲食、神輿見物に利用すると上手いでしょう。

浅草でよく利用されている宿泊施設

アパホテル<浅草 雷門>(全室禁煙) / 浅草ビューホテル / 浅草タウンホテル / 浅草セントラルホテル / ホテルサンルート浅草 / ホテルトレンド浅草 / ホテル京阪浅草 / ユニゾイン浅草 / THE GATE HOTEL(ザ・ゲートホテル) 雷門 BY HULIC / リッチモンドホテルプレミア浅草 / リッチモンドホテル浅草

過去の履歴

2023

3年振りに開催。本社神輿は台に乗せた状態で三基が一緒に連なっての運行に。

2022

5/20から三日間の予定で開催予定とNHKで報じられた。

2021

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ為、宮神輿を担がず、台車に載せて街を巡ることに。

2020

新型コロナウィルス感染症の感染拡大を防ぐ為、通常は5月の開催予定を10月に延期し、期間も3日間から2日間に短縮して開催。見物客の密集を避ける為、宮神輿も3基の内の一之宮だけをトラックの荷台に載せて巡行。「連合渡御」や浅草芸者らによる「大行列」は取りやめに。

2019

令和最初の三社祭で「奉祝 天皇陛下御即位」のリボンが神輿に付けられた。

2018

20日の最終日は気温19度と低く肌寒い午前中ながら晴天のお陰で清々しい天気に。

御祭神

一之宮:土師新中和命(ハジノマツチノミコト)
二之宮:檜前浜成命(ヒノクマハマナリノミコト)
三之宮:檜前竹成命(ヒノクマタケナリノミコト)

開催時期

5月中旬

公式サイト

三社祭奉賛会

浅草神社

ライブカメラ

祭用品専門店 浅草中屋

交通
電車
東京メトロ銀座線・浅草駅下車、徒歩すぐ。
周辺情報

雷門前のビルにコンビニ・ファミレス・ネットカフェあり。ネットカフェはフルフラット席とシャワー設備あり。角には今年できたばかりの浅草文化観光センタービルがあり、無料のwifiが開放されている。隅田川を渡った向こう側にあるアサヒビールビル22階のアサヒスカイルームからは、浅草寺前の道路の様子がよく見え、隅田川の水上バス乗り場から浅草寺の建物群が眼下に見える。

おみやげ
名物/名産

雷おこし / デンキブラン(電気ブラン) / 手拭い 染の安坊

その他宿泊
レジデンシャルホテル ビーコンテ浅草
ブルーウェーブイン浅草(6月1日よりヴィアイン浅草)
ホテル浅草&カプセル
一人・単独での利用ならば、風呂に入れて寝られさえすればいいのです。
その他

■浅草神社の正面拝殿の額は越前侯 松平春嶽の筆。■かつて浅草寺本堂に向かって右側にあった五重塔も戦災で焼失したとのこと。■三基の本社神輿は、日光東照宮のみこしが原型で徳川三代将軍家光が寄進したものだったが、空襲で焼失したとされる。