飛鳥山の桜と花見
徳川八代将軍吉宗が作った花見の名所
上野や千鳥ヶ淵と同じく東京の桜の名所として有名な場所の一つがココ、北区王子の飛鳥山公園です。その歴史は江戸中期の頃からで、『享保の改革』の施策のひとつとして当時の江戸っ子たちの行楽の地とするために多くの桜を植えて桜名所にしたという、まさに花見宴会の為に作られた桜名所なのです。
JR京浜東北線の王子駅から一番近い距離で飛鳥山に登ろうとすると、妙に細い路地のような階段を上ることになります。階段は飛鳥山の北東にあり、どちらかというと裏門的な雰囲気で、すぐ横には京浜東北線が通っています。ちなみにこの付近、あじさいの名所です。
飛鳥山の頂上に登ると、桜の群生と共に妙にデコボコした地面が目につきます。その様子を見ながらココって花見以外に何が出来るのかな?と思えてきますが、それもそのはずで、飛鳥山は江戸時代に徳川八代将軍吉宗によって造られた江戸庶民の為の花見宴会場だったようです。今も東京の桜名所の中にはアルコール禁止のところがありますが、江戸時代にも同じ事情があったものの、ここ飛鳥山ではそれが容認されていたために、江戸の人たちがこぞって花見を楽しみに来たんだとか。まさに花見の為の花見処です。
そんな歴史的経緯もあって、スバラシイ桜景色です。ここの特色は灯かりがボンボリなところ。陽が沈むと強烈なライトアップではなく、ボワッとした柔らかい明かりが灯され、他の夜桜名所とは違って、ほのかな明かりに照らしだされた夜桜が楽しめそうです。しかも駅がすぐ隣なので交通の便がとても良いです。
しかしそれゆえに、満開の時期には場所があると敷物が敷かれていて満員状態です。でも、このデコボコのお陰で大人数には不向きな場所ができ、そこで少人数やカップルたちが腰を下ろしていました。
山の南側には階段を下ったところにステージとすり鉢状の階段があり、そこで催物が開催されていました。春はイベントの始まりの季節。ここはまさに桜のイベント会場です。
飛鳥山公園はソメイヨシノ以外に八重桜もあるので、ソメイヨシノが終わった後でも八重桜を楽しむことができるそうです。
説明 | 八代将軍・徳川吉宗が、江戸庶民の行楽の場として1270本の桜を植えて以来の江戸時代からの桜の名所。上野公園とともに、日本で最初に公園に指定された場所で、その一角は明治から昭和初期まで渋沢栄一の邸宅になっていた。現在、渋沢史料館・紙の博物館・飛鳥山博物館の3つの博物館が存在する。 |
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交通 |
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駐車場 | 平成19年4月1日より、有料駐車場がオープン。 |
周辺情報 | 山上の児童公園に茶屋あり。北西方向にある『北とぴあ』の上階には展望台があり、飛鳥山が見下ろせる。西側の通りを隔てた向かいは谷になっていて、音無川親水公園として桜の名所。更にその西にある山には王子神社が鎮座する。 |
その他 | 徳川将軍吉宗は、隅田川沿いにも桜を植えて庶民の楽しみにしたとの事。 |